中野 良平
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現職:
研究者
元大学教授 (計算機科学, 人工知能分野)
email: ryh88nkn [at] mediacat [dot] ne [dot] jp
略歴:
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愛媛で生まれ道後で育つ. 受験を意識させず自主性を重んじる気風に満ちた東京教育大
(現 筑波大) 附属高校を卒業.
東京大学でコンピュータソフトと数理の道を選び, 工学部 計数工学科 (数理コース)を卒業. 工学博士取得.
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卒業後は日本電信電話公社(現 NTT) 電気通信研究所に入社. コンピュータシステム技術の
壮大な開発の黎明期だったデータ部に配属され, 数値計算・統計解析ライブラリとファイル管理
プログラムの開発に従事. その後は開発から研究へシフトして, 計算機科学と人工知能の
基礎研究に従事.
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NTT退職後は教育界に転身し, 名古屋工業大学 情報工学科 教授,
次いで中部大学 情報工学科 教授を勤める.
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人工知能という魔界の中で寄り道しつつも, 根とする研究テーマは一貫してニューラル情報処理を含む機械学習(machine learning)に据えて, その理論・モデル・アルゴリズムの研究を進める.
革新的アルゴリズム開発を目指し研究仲間と20を越える新アルゴリズムを研究開発.
その研究成果として50本を越える論文誌論文, 100本を越える国際会議論文, 若干の専門書
関係を発表し, 幾つかの論文賞を受賞.
私たちの論文の引用件数はグーグル スカラーによれば6,000件を越える.
アルゴリズムは使っていただくことが命.
趣味
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将棋: アマ三段 (これは自称レーティング.
将棋連盟認定免状は二段).
コンピュータ将棋がAbema TVで将棋棋士と熱く戦っていた頃は東大将棋(長考派)や
Bonanza(超早指しで強い)との対戦に熱中.
今は将棋棋士 藤井聡太 多冠の将棋をAI 評価値付きでテレビ観戦. 歴史的天才の超人的
才能をリアルタイムで楽しめる幸運に感謝.
たまに詰将棋を解くのも楽しい. 新聞の日曜版に掲載される勝浦 修九段の詰将棋はアイデアが
奇抜で楽しい.
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ギター音楽鑑賞: クラシックギターの艶のある澄んだ音色が素晴らしい. とても癒される.
お気に入りのギタリストの演奏を幾つか紹介.
至上の伝説 ナルシソ・イエペス (イエペスの音色と音楽表現は何とも深淵で10代の頃に深く魅了される),
真の天才 ジョン・ウィリアムス,
高貴な達人 ディヴィッド・ラッセル,
驚異の才能 セリル・レフィック・カヤ,
期待の新星 宮川春奈.
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紅茶: インドのダージリン茶 CastletonやRohiniなどをストレートで.
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英語学習: 自前の語彙ノートを作成しながらの英語学習は歩みはのろいが楽しい.
学習を通して世界の歴史や世界のミステリー (数多くの古今の謎)を知ることができる.
知れば知るほど何も知らないことがわかる.
受賞歴
- 電気通信普及財団賞 (テレコムシステム技術賞) (1997).
- 情報処理学会論文賞 (1997).
- 人工知能学会論文賞 (1999).
- 電子情報通信学会論文賞 (2000).
- Best Student Paper Award of ICAIA (Int. Conf. on Artificial Intelligence
& Applications) 2012 (as supervisor).
- Best Paper Award of ICMLDA (Int. Conf. on Machine Learning &
Data Analysis) 2012.
- Best Paper Award of ICPRAM
(Int. Conf. on Pattern Recognition Apps. and Methods) 2017.

研究内容:
人工知能の機械学習をニューラル
情報処理アプローチで研究
- 学習アルゴリズムの研究:
- 多層パーセプトロン2次学習法の研究
- 特異領域を活用したニューラルネット学習法の研究
- 高度な多層パーセプトロンの研究
- EMアルゴリズムの大域最適版の研究
- サポートベクトル回帰の研究
- 挑戦的な学習応用の研究:
- ニューラルネットを用いた数法則発見の研究
- 分類子システムを用いた行動ルール学習の研究
- Lシステム文法発見の研究
- ソーシャルネット解析の研究
- 遺伝的アルゴリズムを用いたジョブショップスケジューリングの研究
研究成果
文献引用に関する統計:
Google Scholar
研究仲間への感謝:
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上記の研究成果は, 優れた異能の研究仲間たちがそれぞれ困難な課題に精魂を傾けて
取り組み, 壁を乗り越えて得られたものである.
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一緒に研究に取り組まれたすべての方々に感謝するとともに, 多くの才能と出会え
夢中で充実した時を過ごせた幸運に感謝.
主な方々の氏名を特に以下に記す(順不同):
上田修功氏, 斉藤和巳氏, 山田武士氏, 木村昌弘氏, 新井賢一氏,
棚橋裕輔氏, 烏山昌幸氏, 石川勇太氏, 伊藤健太郎氏, 高田正治氏, 山田直矢氏,
佐藤聖也氏, 鈴村真矢氏.
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NTTコミュニケーション科学基礎研究所 (CS研) 「
創設30周年によせて」
への寄稿文(2021):
<日本の命運を左右するAIの原動力に>
CS研の創設は当時の戸田本部長の悲願だったと聞きました.
80年代末, 情報研で悶々とする我々に基礎研究の場を設けて育てられたのは村上部長です.
初代の西川所長はコミュニケーション科学を創出し, 魂を入れるのは君達だと語られ,
我々は学習機構研究計画の下で機械学習の研究を進めました.
マルチエージェント研究の先導は京大へ移られた石田教授でした. トロント大の
ヒントン教授にも招聘教授としてご来所いただき刺激を受けました.
優秀な仲間と充実した研究の日々を過ごせたことに感謝です.
山田所長曰く, CS研の役割は人の活動を支援し人の生活を豊かにするAIの実現であると.
猛威を振るう感染症が社会へ及ぼす影響の研究も含まれますね.
創業より守成が難く, 上田特研室長始めCS研の長期に渡るご健闘は立派です.
一方, 機械学習分野で日本人論文の影が薄いと感じます.
リソースに恵まれたCS研が日本の命運を左右するAIの原動力となってください.
教育実績
客員教授 (1998 - 2000年度)
奈良先端大学院大学
情報科学研究科, 連携講座:「適応システム論」
教授 (1999 - 2008年度)
名古屋工業大学
情報工学科
教授 (2008 - 2017年度)
客員教授 (2018 - 2022年度)
中部大学
工学部 情報工学科
非常勤講師
- 特別講義: 神経計算・進化計算の数理と応用,
三重大学 工学部 (1993年度)
- 特別講義: 神経計算・進化計算特論,
名古屋工業大学 知能情報システム学科 (1993)
- 特別講義: 人工知能の基本問題,
名古屋工業大学 知能情報システム学科 (1994)
- 特別講義: 適応システム特論,
名古屋工業大学 知能情報システム学科 (1995-1998)
- 言語処理解析学,
名古屋工業大学 知能情報システム学科 (1999)
- 推論システム特論2,
京都大学 大学院工学研究科 (1996-1997)
- 知能情報処理特論,
京都大学 大学院情報学研究科 (1998-2000)
- ニューラル情報処理, 人工知能, 情報理論, 情報技術英語,
中部大学 情報工学科 (2018-2019)

海外研究者との共同研究
以下の海外研究者との共同研究は, 最初を除いて, すべてNTTコミュニケーション科学研究所
(現
NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 在職中のもの.
また, 海外研究者の所属や肩書きは当時のもの.
- S.I. Gallant 助教授 (Northeastern Univ.)
招聘期間 (1989年10月 - 12月)
共同研究テーマ: コネクショニストエキスパートシステム
滞在の思い出
- Y. Davidor 博士 (Weizmann Institute)
招聘期間 (1992年10月 - 12月)
共同研究テーマ: 遺伝アルゴリズムの数理モデル
- B.E. Rosen 助教授 (Univ. of Texas, Austin)
招聘期間 (1993年6月 - 8月)
共同研究テーマ: SAを用いた組合せ最適化
- P. Esteves 助教授 (Univ. of Chile)
招聘期間 (1995年4月 - 6月)
共同研究テーマ: 多重ニューラルネットの進化的計算
- G.E. Hinton 教授 (Univ. of Toronto)
招聘期間 (1997年4月)
共同研究テーマ: ニューラルネットの計算理論
滞在の思い出
ヒントン先生
ノーベル賞受賞, おめでとうございます!!
2024年10月8日
- J.A. Meyer 教授 (Ecole Normale Superieure)
招聘期間 (1997年5月)
共同研究テーマ: 適応行動の計算理論
滞在の思い出
Last modified in: Oct 2025