Meyer先生滞在記 (1997年5月)
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洋論文誌 Adaptive Behavior 第6巻の表紙
Meyer先生ご滞在中に, 先生が主幹されるAdaptive Behavior誌の表紙を飾る日本的な工芸物はないかと聞かれ, 鈴木良次先生の「手のなかの脳」(東京大学出版会)に出てくる
「からくり人形」を思い出した.
早速, 鈴木先生に連絡をとったところ,
その人形は幕末の科学技術者である大野弁吉の代表作で,
写真は石川県立歴史博物館にお勤めの本康宏史氏が撮影したものであることがわかった.
人形は, 三番(さんば)そう人形(粟森長八氏所蔵)と呼ばれ,
首と手足を振りながら楕円を描いて歩くという.
その構造は, 大野弁吉の労作である「一東視窮録(いっとうしきゅうろく)」
(大友佐八郎氏所蔵)に記載されている茶運び人形の図面(下図)に対応している.
鈴木先生には, 大野弁吉の作品を陳列している石川県金沢港大野からくり記念館に
足を運んでいただき, 前田敏館長に事情をご説明頂きました.
前田館長には記念館の美しい冊子をお送りいただくとともに, 資料の利用を許可いただきました.
本康氏には貴重な写真(下図)の利用を許可いただきました.
皆様のご協力に感謝いたします.

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Last modified in: Dec 2010