優れた Linux Debian OS を使う

 宇宙科学や地球物理,物理・化学,工学において物質の時間発展や
定量変動を予測する道具として,計算機シミュレーションは大きな力を
もつ。そこでは超複数個CPUからなるスーパーコンピュータが用いられる。
計算機を実際に動かすためには Unix OSが使われるが,普通のLinuxでは
フリーで使える Linux OSが使用される(RedHat OSは有料)。
 CentOS 7は2024年5月に期限が終了した。細心の注意を持っていれば
使い続けることは可能であるが,攻撃を避けるため Debian や Ubuntu OS
に乗り換えた人は多いと思われる。

 AlmaLinuxは CentOS 7の後継として登場,その使用法は同様である。
コマンドyumや dnfが新規ソフトウェアのインストールに使われる。
まずインターネットでは,FFTW3などほとんどのURL が接続できない
Windowsで一度ダウンロードして,次にLinux側にアップロードする2度
の手間になる。また画面内のマウスが,Ctrlを押して境界を越えて外に
出す必要があるが,Debian OSではどこでも自由にマウスを動かせる
)。
分子動力学では,Classical MD, および Ab-initio MD Siesta ではランが
動作する。ベクトル・行列計算のScalapack v.2は Debian OSのインストール
法で回避できるが,pip3に関連したpairlist はコンパイルが不能である!

 これらのインストールで,Debian-12 OS では問題が起きていない。
一方,sudo,gfortran, make, ... のパッケージは初期状態の4 GB容量では
インストールしないので,必要なものは $ apt install sudo などで入れる
(root権限のパスワードが必要。"$ " は入力を表すプロンプトであり,
書かない)。
 Scalapack-2.2.0(最終版)のコンパイルは,https:/github.com/Mtanaka77/
の " AlmaLinux and Debian OS's " では,Linux OSの比較を書いている。
そのScalapackでは,BLACS, PBLAS, SRCなどのサブディレクトリに移り,
$ make で実行できる。ただし,SRCではMakefileファイルの最後で,.f.o :
の $*.f の直前に -fallow-argument-mismatch を書き,$ make -B -k -r を行う
(無条件に全ターゲットをmakeする意味で,最近のOSは$ make だけでは
動作しない)。

 AlmaLinux-9とDebian-12をインストールした上で,3次元水分子動力学
の粒子シミュレーション,そしてAb initio分子動力法 Siesta を,記事 1.
(英語版) 参照。
結論としては,定評のある Debian OSのインストールを
勧める。
さらにhelpの内容やユーザーが無償でパッケージを作るなど,
そこに Debian OSの良さがあると言える。


English
1. AlmaLinux v.s. Debian OS's
2. Simulations of Molecular Dynamics in AlmaLinux and Debian
 by PPoint PDF

References:
1. AlmaLinux OS, https://almalinux.org/.
2. Debian OS, https://www.debian.org/.
3. M. Tanaka, and M. Sato, J. Chem. Physics, 126, 034509 (2007);
 M. Tanaka, Microwave heating of water and ice by TIP5P code,  
 https://github.com/Mtanaka77/Water_and_methene_hydrate_by_
 TIP5P_code (2023).
4. J. M. Soler et al., J. Phys. Cond. Matt. 14, 2745 (2002).
5. M. Matsumoto, https://github.com/vitroid/GenIce/.
6. PDF, https://github.com/Mtanaka77/AlmaLinux9_Debian-12.pdf/.


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